【MBA】フランス語B1レベルまでの勉強法
前回の記事(【MBA】フランス留学中のフランス語学習の必要性)では、HEC ParisのMBA課程では第二外国語のB1レベルの証明が卒業要件とされており、それをクリアするために第二外国語としてフランス語を学ぶ学生が多いということをお伝えしました。
私も、フランス語のB1レベルの証明書を提出して、卒業要件を満たすことができましたが、今回は私がどうやってフランス語のB1レベルに到達したか、その勉強法をご紹介します。
結論から言えば、BusuuというアプリでB1のテストに合格するというのがHEC Parisの卒業要件を満たすための最短ルートであり、DELFのB1のテストに受かるための勉強法とは内容は異なると思いますので、その点はご了承ください。
卒業要件の満たし方(第二外国語B1レベルの証明)
前回の記事(【MBA】フランス留学中のフランス語学習の必要性)でもお伝えしたように、第二外国語B1レベルという卒業要件を満たすには、大きく次の4つがあります。
- ① DELFなどのフランス語テストでB1レベルに合格する
- ② フランス語の授業とは別にHECが行うフランス語テストに合格する
- ③ BusuuなどのアプリでB1レベルの成績証明書を取得する
- ④ 大学時に第二外国語をB1レベルまで履修していた場合はその成績証明書を提出する
難易度は①から④にかけて簡単になっていきますが、DELFのB1レベルに受かるには結構本腰を入れて勉強をしなければならないという印象です。
私の周りでも、DELFのB1のテストに合格している方もいましたが、もともと留学前からフランス語の勉強をしていたり、フランス語が好きという方でした。またテストの日程に合わせて勉強をしなければならないので、若干柔軟性には欠けます。
HECが行うフランス語のテストは、年に2回、12月と3月に開催されますが、こちらも日程が固定されるので、柔軟性という意味ではあまり便利ではありません。
個人的におすすめなのは、難易度が低く、いつでもB1レベルのテストを受けることができるBusuuのアプリで、B1レベルに到達することです。一度テストを受けると、再度テストを受けるためには2週間を開ける必要がありますが、追加料金等はないので気軽に受けることもできます。
Busuuのアプリで成績証明書を取得するには課金する必要がありますが、そこまで高い金額ではないので割り切って課金してしまうのがいいと思います。
なお、手間がかからないという意味では、大学の成績証明書を提出する方法が一番簡単です。大学時に第二外国語を履修しており、その成績証明書にB1レベルと認められる成績の記載があれば、その提出をもって卒業要件を満たすことができます。なお、この第二外国語はフランス語以外でもよく、中国語、ドイツ語、韓国語などどの言語でも認められるはずです。
大学の成績証明書で卒業要件をクリアしようとする方は、早めに大学の担当者に成績証明書をPDFなどで送り、卒業要件を満たしているかどうかを確認されるのが良いと思います。
方法 | 難易度 | 費用 | 日程 |
①DELF B1テスト | 高 | 高い(100ユーロ以上) | 年に数回 |
②HECのテスト | 中 | なし? | 年2回 |
③Busuuなどのアプリ | 低 | 低い(3か月で約1500円) | いつでも(中2週間空ける) |
④大学時の成績証明書 | - | なし | - |
フランス留学前の勉強法(フラ語入門とDuolingo)
私は留学の3か月ほど前から、フランス語の勉強をゆるく始めました。
使用したのは、ネットで評判が良かった『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』(2019、清岡智比古著、白水社)で、さっとフランス語文法の全体像をみましたが、細かく暗記まではしていません。
内容は、口語調で読みやすく、ポイントを絞って書かれているので諸学者でもフランス語の全体像をなんとなく理解するのに向いているように感じました。
私はこの本を一読してから、すぐにDuolingoを使用して、毎日問題演習形式で、少しずつフランス語の勉強を始めました。
Duolingoは、1レッスン5分程度で取り組める問題形式のアプリで、キャラクターたちと楽しくフランス語を学ぶことができます。
課金しなくても使えますが、課金すると何度間違えてもやり直せますし、月額でも1000円ちょっとなので(6か月プラン、1年プランだとさらに割引)、課金してしまうことをおすすめします。
問題は、本当に初歩の初歩から始まり、読み、聞き、書きのほか、スピーキングの能力も鍛えることができます。スピーキングの問題に関しては、周囲の環境で声を出せない場合にはパスすることもできます。
問題はかなりしつこく繰り返されるので、ノートやAnkiでまとめていかなくても、毎日一定時間を続けるだけで、自然にある程度のフランス語が身につくと思います。もちろん、ノートやAnkiなどに単語などをまとめて行けば、さらに効率よく先に進むことができるでしょう。
問題演習の達成率と正答率によってポイントが割り振られ、毎週ポイントが高いと上位のリーグに上げてもらえ、低いと下位のリーグに落とされるというシステムがあり、何とか一番上のリーグに行ってその地位を維持しようということも、フランス語学習のモチベーションの維持に役立ちます。
私は留学前にLevel2まで行きましたが、その程度の知識があればHECのA1.1、A1.2のフランス語の授業では特に困ることなく十分ついていけましたし、そこからBusuuに切り替えて卒業要件を満たすためにテストに向けた勉強をしてもいいと思います。
なので、留学前のフランス語の学習としては、Level2までを一つの目安にしても良いかもしれません。
フランス留学前半のフラ語勉強法(フランス語クラス)
フランスに留学してからは、HECが開校しているフランス語のクラスを履修しました。
フランス語のクラスについては、前の記事(【MBA】フランス留学中のフランス語学習の必要性)に記載したとおりですが、私は完全初心者のレベルから始め、和気あいあいとした雰囲気の中、楽しくフランス語を学ぶことができました。
授業中はゲームやグループワークもあって、クラスメイト達と仲良くなる機会も多かったです。
ただ、初心者レベルからのスタートということもあり、Term1とTerm2をかけて、レベルはA1.1からA1.2までしか進みませんでした。
フランス語のクラスだけでB1レベルまで勉強を進めたいのであれば、最初にある程度フランス語の力をつけておいてA2レベルから始めたり、途中でフランス語の勉強を集中的に頑張って、飛び級で上のクラスに行く必要があると思います。
夏休みのフラ語勉強法(Drops)
夏休みは、追加料金を支払うことでフランス語の夏期講習を受けることができたようですが、私はプライベートの時間を優先したかったので特にフランス語のクラスは履修しませんでした。
代わりに、フランス語の基本的な文法が分かっていても、単語が分からず日常生活で苦労していたので、Dropsというアプリをダウンロードして、日常的な単語を重点的に学びました。
Dropsは、絵から単語を覚えるアプリで、単語については野菜、乗り物、キッチン用品、国の名前、花の名前など、ある程度グループ化して覚えることができる、おすすめのアプリです。
絵と同時に単語を音声で読み上げてくれるので、音も一緒に覚えることができます。
私は、Dropsで単語を覚えて、覚えた単語をAnkiに入れて(音声はi-phoneの自動再生機能を使用)、夏休みの間にフランス語の基本的な単語を覚えました。
このDropsでの単語学習は、細かな単語までグループ内で覚えていくことになるので、DELFやBusuuなどでのテスト対策としては、正直遠回りだと思いますが、日常生活の中で「あっ、これDropsでやったやつだ」という経験が結構出てきますので、日常生活が楽になるという意味ではかなり良かったと思います。
留学生活後半のフラ語勉強法(Busuu)
夏休みが空けたTerm3は、フランス語のクラスは履修せずに自分でフランス語を勉強しようと思いましたが、なかなか予定通り勉強することができず、結局フランス語の勉強という意味ではあまり進捗はありませんでした。
Term4になって、卒業要件の関係でそろそろ本腰を入れてB1レベルに達しないといけないという段階になり、先輩たちから聞いていたBusuuというアプリに課金し、Busuuでの勉強を始めました。
Busuuも、Duolingoと同じく問題演習が中心のアプリですが、Duolingoほど問題内容がしつこくなく、さくさく進めることができます。
逆に言えば、内容が頭に入らないままどんどん進んで行ってしまい、気が付いたら迷子ということになりかねないので、私は内容をノートにまとめて、復習と並行してBusuuを進めていきました。
A1レベルなどはあまり難しくありませんでしたが、A2、B1とレベルが上がるにつれて難易度も上がっていきます。
例文と単語を覚えてしまうのが一番の攻略法だと思いますが、卒業要件を満たすためだけに限れば、短期集中で1か月ほどかけて一気にやってしまうのがいいと思います。
私は勉強記録を付けていたのですが、41日間で85時間勉強して、無事に1発でBusuuのB1レベルのテストに合格できました。
合格できなくても、2週間の期間を空けて再度受験できるので、とりあえず1度受けてみて、自分がどこができないのかというところを確認するのもありだと思いますし、そのやり方の方がB1レベルのテストに合格する難易度ははるかに低くなると思います。
なお、Busuuではほかの言語を学んでいるかたとのやり取りもできて、例えば日本語を学んでいるフランス人から日本語の文章の添削の依頼が来たり、逆に自分が書いたフランス語の文章をカナダ人に添削してもらうことができたりします。
この機能は、B1レベルのテストに合格するためという点では不要かもしれませんが、フランス語でコミュニケーションをとって添削もしてもらえる良い機会なので、モチベーション維持という意味でよかったと思います。
Busuuは、テストに合格すれば成績証明書がメールで送られてくるので、それをHECの担当者に送付すれば、晴れて卒業要件を満たすことになります。
まとめ
以上が、私の留学前、留学中のフランス語の勉強法でした。
卒業要件を満たすためだけでいえば、いきなりBusuuから入るか、まずDuolingoでLevel2程まですすめてからBusuuに切り替えてテストを受けるというのが最短で、その方法だと留学前の段階でもBusuuのB1レベルのテストに合格してしまうことが十分に可能だと思います。
ただ、Dropsで日常の単語を抑えると生活がより楽しくなりますし、フランス語のA1クラスも和気あいあいとした雰囲気で面白かったので、それらを活用した勉強もおすすめです。
極端な話、Busuuのテストは卒業間際でも短期集中でやろうと思えばできてしまいますので、それぞれの留学の目的や、留学中にやりたいことを踏まえて、フランス語の勉強計画を立てるのが良いと思います。
HEC ParisのMBA留学のご参考になれば幸いです。