【TOEFL iBT/GRE対策】 Vocabularyの増やし方(Ankiのすすめ)
私は、帰国子女でもなければ仕事で頻繁に英語に触れる環境でもなく、純ドメとしてもかなり英語から離れていたほうだと思います。
TOEFL iBTとGREのスコアメイクは簡単ではありませんでしたが、最終的に触れた英文の絶対量の少なさをVocabularyの量でカバーして、得点を稼ぐことができたと感じています。
今回は、TOEFL iBTとGREの対策として、私がいかにしてVocabularyを増やしたかについて述べたいと思います。
Vocabularyの重要性
TOEFLをはじめとする英語の試験において、Vocabularyは運動する上での体力のようなものです。
TOEFL対策では、前後の文脈や語幹から意味を推測する方法も戦略としてあり得ますが、暗記してしまうことに比べて本番で時間を要しますし、そもそもTOEFLレベルの単語であればMBAでも頻出ですので、覚えてしまうことが早いと思います。
Vocabularyが分かれば、TOEFLのリーディングやGREのVerbalの読解も、意味を推測しながら読む場合と比べてはるかに速く正確に解くことができます。
そして、後述のように、Vocabulary対策は手順を踏めば誰もが容易に可能だと思います。
英単語の暗記の大変さ
もっとも、TOEFLで著名な参考書である「TOEFLテスト英単語3800CD付」など、初めは見慣れない英単語が多くあるかと思います。
私も、同書にはじめて手を出したのは弁護士になる前の司法修習生の頃で、友人と留学を目指して範囲を決め、テストをしていたことが懐かしく思いますが、当時、知らない単語ばかりでとても苦労した思い出です。
また、その後、弁護士になり英語の勉強を中断してしまったのち、MBAを志して再度勉強をスタートした際、苦労して何度か回したはずの同書の英単語のほとんどを忘れてしまっていたことにとてもショックを受けました。
当然ですが、英単語は一度覚えても忘れてしまいます。
留学を決めて勉強をスタートした際には、3800を常にカバンに入れて、仕事の行きと帰りに毎日暗記するようにしていましたが、それでも記憶を維持することは容易ではなく、通勤上での暗記をやめるとすぐに忘れてしまうので、単語の暗記がとても苦痛で、果てしない作業のように感じていました。
そのうち、ある程度のところで単語にこれ以上時間をかけていられないと思い、同書から離れたのですが、その後も単語力は低下の一途をたどっていたと思います。
このように、当然ながら英単語は時間をかけて暗記しても適度なタイミングで復習をしていかないと、すぐに忘れてしまいます。それは皆分かっていると思うのですが、そのタイミングを自分で決めて、〇日前にこれをやったから今日はこの部分の復習から始めようという勉強の仕方ができる人は少数ではないでしょうか。
TOEFLの勉強を始めて1年程度がたったころ、リーディングで満点近く獲得するためにはやはり英単語をやり直す必要があると感じ、そのためのツールを探しました。
そして、その際にネットで見つけたのが、この記事で紹介するAnkiです。Ankiには、次のメリットがありました。
Ankiのメリット①:エビングハウスの忘却曲線に基づいて自動で復習問題を出してくれる
エビングハウスの忘却曲線は聞いたことがあると思いますが、これに基づき自分で復習のスケジュールを立てて、それを実行することは大変だと思います(少なくとも私にはできません)。
しかし、Ankiはエビングハウスの忘却曲線に基づいて、自動的に一定の期間で単語の記憶の有無をテストしてくれるので、エビングハウスの忘却曲線に基づいた、記憶維持の仕組化が図れます。
そして、何度も連続して正解しているうちに、次第に次の復習の間隔が空いていくので、膨大な量の英単語でも、習慣化して少しずつ取り組むことで、効率的に記憶することができます。
市販の参考書だと、覚えていないところにチェックをして、覚えていたらそのチェックを外し、それを繰り返し、という作業が必要になりますが、Ankiではこの作業がアプリ上で完結するので、復習のしやすさという意味でもとても効果的です。
アプリなので、参考書を持ち歩くことも不要ですし、毎回異なる順番での出題になるので、出てくる単語を順番で覚えてしまうということもありませんでした。
Ankiのメリット②:自分のデッキを作れる
TOEFLやGREでよいスコアをとるために覚えなければならない英単語の数は、大学受験と比較にならないほど多いように思います。
そして、そのすべてをカバーした市販の単語集はこの世に存在しませんし、どんなによい単語集でも試験傾向の変化などによってカバーしている範囲が最適ではなくなってしまうこともあります。
他方、Ankiでは自分で覚えるべき単語のカードを作ることができます。
しかも、エクセルでまとめて作成して、まとめてデッキに追加できるので、いちいち紙に書いたりするよりはるかに早く作業することが可能です。
さらに、自分なりに例文を入れたり発音を入れたりとカスタマイズが可能です。
公開されていて、ダウンロードして使用できるデッキもありますが、私は自分自身で手を動かして、オリジナルのデッキを作ることを強くお勧めします。
Ankiのメリット③:英単語の自動読み上げができる
英単語は音と一緒に覚えなければ、リスニングでは役に立ちません。
市販の単語集ではCDが付属し、音声の確認はできますが、1つずつの英単語の発音を確認するのには適しておらず、またそもそもCDを再生するのが面倒という問題があります。
私も、たまにCDを聞いてみたりしていましたが、1つのトラックにいくつもの単語の発音が含まれており、1つの単語の発音を確認するのに、すでに覚えた単語や確認不要な単語の音声まで聞かなければならないという点で、不便を感じていました。
聞き流しもやってみましたが、時間がかかりますし、勉強している気になって実際には身についていなかったように思います。
しかし、Ankiはこの点を解決してくれます。
私はiphoneでAnkiをダウンロードして使用していますが、iphoneの音声読上機能を用いて自動的に発音が分かるようなフォーマットにしているので、いちいちCDを聞き返す必要はありません。
また、この機能を使えば音声を取り込む必要もないので、カードの作成自体とても早く行うことができます。
さらに、目で見るだけでなく、耳と口でも記憶することができますので、暗記の効率自体格段に向上させることが可能です。
Ankiのメリット④:幅広いカスタマイズが可能
最後のメリットは、カスタマイズの点です。市販の紙媒体での単語集の強みは、書き込みができることで、そのことによって情報を加えていき、他の単語との関連性や語幹を用いた記憶をしやすくすることができる点にあると思います。
もっとも、Ankiは、自分で好きにフォーマットを決めることができるので、情報の書き込みという点では、紙媒体での単語集に引けを取りません。私は、覚えられない単語について、関連する英単語を付記して覚えたりしていました。
また、これは紙媒体での単語集では不可能なことですが、Ankiでは画像を貼り付けることもできます。覚えられない単語について、ネット上で関連する画像データなどを探し、それをセットで貼り付けることで、暗記の手助けにすることが可能です。
まとめ
AnkiのiOS版は無料ではないですが、十分に価格に見合った価値があると思います。
また、様々なカスタマイズが可能な反面、単語帳の作成の仕方が最初は若干分かりづらいですが、今はネットで検索すればとても分かりやすいサイトがたくさんあるため、使い方も簡単に学ぶことができると思います。
忘却曲線に基づく復習により、記憶を維持してVocabularyを増やしていくことが可能なので、一度覚えたけどまた忘れてしまったという途方のない暗記地獄から抜け出し、確実に成長して先に進んでいるといった勉強の手ごたえを十分に感じることができました。
なかなか終わりの見えないMBAのスコアメイクにおいて、英単語だけでも確実に成長していると感じられることは、精神衛生上も良いものです。このこともあり、iOSのアプリ代金と初期の使い方を習得理解するまでの時間の投資は、十分なリターンがある投資といえるでしょう。
私は、Ankiを使うことで、英語学習におけるVocabularyの取得が苦ではなくなり、そこを武器にすることができました。
その結果、TOEFLのリーディングは何度も満点をとることができましたし、Vocabularyが高度なGREのVerbalも、単語力を短期間で高め、155点をとることができました。
Ankiを正しく使えば、誰もがVocabularyを増やしていくことができると思いますので、英単語の暗記に苦しんでおられる方がいましたら、是非Ankiを使用してみる下さい。