【MBA】HEC MBAのTerm1の授業について

2022年10月16日

Term1について

今回は、私がHEC Paris MBAのTerm1で受けた授業について紹介します。

HEC ParisのMBA課程は4つのTermから構成されますが、前半2つのTerm1とTerm2は、「Fundamental Phase」として基礎的なビジネス知識を学ぶ期間です。

私が入学した2021年1月は、約150名の入学者がいましたが、これが各50名ずつ、3クラスに分かれて授業を受けることになります。

私の時はコロナの関係で、授業によってはさらに50名を半分に分け、25名ずつ対面形式とオンライン形式のハイブリット型での参加形態で、授業が行われることもありました。

また、クラスの中でも5、6名ずつの小グループが割り当てられ、課題の中にはグループで取り組む課題もあります。

Term1の私のグループは、フランス人、インド人、ナイジェリア人、カナダ人と私を加えた5人で、バックグラウンドも金融、財務コンサル、事業会社、データサイエンティスト、弁護士とバラバラでした。

Term1の授業は、次の8つです。

  • Financial Markets
  • Financial Accounting & Reporting
  • Managerial Economics
  • Managing Customer Value through Marketing
  • Statistics & Business Analysis
  • Bach Game
  • Giving & Receiving Feedback
  • Problem Solving & Communication

これらに加え、春休みにはキャンパス内で、HEC Paris MBAプラグラムの目玉の一つである、Outdoor Leadership Seminarが開催されました。

Financial Markets

Financial Marketsは金融市場に関する授業で、リスク&リターン、現在価値と将来価値、ポートフォリオ理論、CAPM、先物取引、オプション取引、債券、株式価値評価の基礎を学びました

毎週、授業中の小テストと計算問題中心の宿題が出されましたが、宿題は難易度が高く、得意なクラスメイトを中心にクラス全体で協力して乗り切りました。

期末試験も過去問を見る限り難しめで、個人的にはMBA全体で一番難しいテストでしたが、過去問と類似の問題が結構出たので、過去問さえやっておけば何とかなりました。

Financial Accounting & Reporting

Financial Accounting &Reportingは財務三表の授業で、仕分けの基礎から始まり、財務三表の分析まで一気に学びました

HECのMBAの授業は基本的に基礎知識がなくても何とかなりますが、会計に関しては一からやっていくと大変なので、簿記3級程度の前提知識があると楽だと思います。

途中、ドイツWirecardのスキャンダルに関する話題が出て、教授と授業外で、監査法人の在り方や責任論について議論をすることができ、勉強になりました。

Managerial Economics

Managerial Economicsはいわゆるミクロ経済学の授業でした。

需要供給曲線、市場均衡、限界便益、限界費用、弾力性、ゲーム理論、価格差別等を学びました

コロナのため、すべてオンラインでの授業でしたが、途中、OPEC Gameというシミュレーションゲームがあり、クラスメイト間の駆け引きや裏切りが頻発し、それぞれの人間性が垣間見えたのが面白かったです。

Managing Customer Value through Marketing

Managing Customer Value through Marketingはマーケティングの授業で、状況分析、STPマーケティング、ブランディング、マーケティングミックス、プライシング、デジタルマーケティング等の基礎を学びました

バーガーキングやNike、Addidasといったスポーツブランドのケースもあり、自分が知っているブランドのマーケティング戦略を学ぶことで、日々目にしている広告の見方も変わりました。

個人課題として、就活市場における各自のSTPを考えるというユニークな内容が出され、それぞれの立ち位置や就活市場でのUSPを考えることになり面白かったです。

最終課題は、グループごとに新商品を考えてマーケティング戦略を提案するというもので、私たちはコロナ下で求められるであろうスポーツ用アプリケーションを検討し、プレゼンを行いました。他のグループの発表も、グループごとにそれぞれ特色が出て、見ていて面白かったです。

Statistics & Business Analysis

Statistics &Business Analysisはいわゆる統計の授業で、統計解析ソフトのSPSSを使って、推定、回帰分析、カイ二乗検定、決定木分析、因子分析、クラスター分析などを学びました

フランスのスキー場、星の王子さま、地球に接近した隕石、ホテルカリフォルニアなどを話題に授業が展開されていき、記憶に残る工夫された内容で、統計を学んだことがなかった私でも楽しく手を動かしながら学ぶことができました。

最終課題はグループでデータの収集から分析まで行いプレゼンするという内容で、発表者はプレゼン当日に教授がその場で指名します。

私たちのグループにはデータサイエンティストがいたので、彼女に中心になってもらい、前日の深夜まで皆でデータ収集、解析、スライド作成を行って、プレゼンの要点まで教えてもらい当日に備えました。

発表当日には、教授から私が指名を受けてしまい発表したのですが、彼女の指導のおかげで自分の言葉で納得に行くプレゼンすることができ、その後、データサイエンティストや皆にPerfectだったと褒められて嬉しかったです。

Bach Game

Bach Gameは、チーム対抗のビジネスシミュレーションを通じて、財務三表の理解を深める数回のセミナーで、Term1の初めの方に開催されます。

Overdraftの処理の仕方も学ぶため、シミュレーション上で利益を出すことはかなり難しく、どこのチームも破産寸前でした。

破産したら倒産弁護士の僕の出番だね、と冗談半分で話していたのですが、本当に破産しそうになって銀行(教授)から融資を受けて乗り切りました。

授業の最後にはMBA初となるテストがあり、エクセルが使用禁止というルールを課されたため、電卓とワードで財務三表を作成することになりましたが、テストの内容自体はさほど難しくなかったです。

Giving & Receiving Feedback

Giving &Receiving Feedbackは朝から夕方までのセミナーで、良いフィードバックの条件、構成、Psychological safety(心理的安全性)、フィードバックの受け方、留意事項などを議論した後、架空の事例でクラスメイトとフィードバックのやり取りをする練習をしました

フィードバックの重要性は理解していたつもりですが、何が正解か分からないまま、仕事上であまり意識し行ったり受けたりしていなかったこともあり、フィードバックのタイミング、内容、やってはいけないことなど、すぐに意識して活用できる実践的な内容を聞くことができて良かったです。

Problem Solving & Communication

Program Solving &Communicationは、コンサル出身の教授のセミナーで、仮説思考、問題の定義や構造の捉え方、解決策を伝えるためのStoryline等を学びました

ミニケースを前提に、グループごとに問題を議論して整理していく中で、バックグラウンドの異なるメンバーの、問題解決への異なるアプローチ手法を知ることができて面白かったです。

Term1のまとめ

Term1は、本格的にMBAの授業がスタートした期間でしたが、私はクラスやグループのメンバーに恵まれたこともあり、今まであまり勉強してこなかった分野について、短期間で想像以上に多くのことを学ぶことができました。

特に統計学とマーケティングは、まったくのゼロからのスタートでしたが、学問的な面白さと実務での考え方などを学ぶことができて良かったです。

英語力に関しても、オリエンテーション期間での挫折を経て、一時はどうなることかと悩んでいましたが、日々の勉強を続けていった結果、同級生にも英語が上達したと褒められるようになり、グループでの議論にも参加できるようになって、確実な進歩が感じられた期間でした。

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Posted by のすけ