【MBA】HEC MBA の Outdoor Leadership Seminarとは

2022年10月16日

Outdoor leadership seminarとは

私が卒業したHEC ParisのMBAプログラムは、リーダーシップ教育にも力を入れています。

その中で、特徴的なプログラムの一つが、今回ご紹介するOutdoor Leadership Seminarです。

例年、キャンパス外に移動し、泊まり込みで実施されていたようですが、2021年はコロナの影響を踏まえ、キャンパス内で2日間をかけて実施されました。

キャンパス内とはいえ、HECはキャンパス自体が広大で、建物のあるスペース等を含めた敷地面積はなんと340エーカー(東京ドーム30個分!!)もあります。

しかもそのうち144エーカー分(東京ドーム12.5個分)は自然公園として保存されているエリアで、川、湖、丘、洞窟などがあるほか、シカや野鳥も多く生息しており、Outdoor leadership seminarでは、フランスの自然と初夏の気持ちよい天候を感じることができます。

2021年のOutdoor Leadership Seminarは、このキャンパス内の自然公園の部分が主な舞台となったのですが、個人的にはこのセミナーがなければ知らなかったキャンパス内の自然にも触れることができたので、キャンパス内の開催でよかったと思っています。

宿泊に関しても、私は寮に住んでいたので、1日のSeminarが終われば自室に帰って休むことができましたが、パリ等、キャンパス外に住んでいる方にも期間中だけ寮の使用が認められ、そこで休むことができたようです。

Outdoor Leadership Seminarのチーム編成

Outdoor Leadership Seminarは、9月入学と1月入学の2つのバッチが合同で開催されます。

それぞれ12名程度のチームで割り振りされるのですが、9月入学と1月入学で合計300名ほどおり、そこから基本的にランダムに割り振られるので、自分のチームに同じクラスの人はほとんどおらず、ほぼ初対面の人たちとチームを組むことになります

私のチームも、私がOutdoor Leadership Seminar前から話したことがあったのは、同じクラスの1名だけで、他は顔を見たことがある程度か、完全に初対面の方でした。

なお、9月入学の場合には、Term1とTem2を終えてからOutdoor Leadership Seminarがありますので、知っている人の割合はもう少し多くなると思います。

また、コロナ禍ではなく、バッチ全体でのパーティーなどが開催されていて、他の1月入学のクラスの方と話す機会があれば、私ももう少し知っている人がいたのかもしれません。

いずれにせよ、私のチームは、知っている人は同じクラスの1名だけで、その他はほぼ初対面、というチーム編成でした。

Outdoor Leadership Seminarの内容

Outdoor Leadership Seminarは、フランスの退役軍人の方がチームのメンターとなり、そのメンターの下で、チームで様々な課題を解決していく2日間のセミナーです。

軍隊そのものに参加するわけではなく、退役軍人が多く所属するフランスのSCYFCOという団体(会社?)のプログラムに参加します。

基本的な進行としては、それぞれの課題ごとにチームの中からリーダーとサブリーダーが指名され、彼らがメンターからミッションを聞いてメンバーに伝達し、リーダーとサブリーダーのリーダーシップの下、メンバーが一丸となって課題を解決していきます

そして、各課題が終わった後に、メンターからリーダーとサブリーダーの行動と、全体についてフィードバックがなされます。

課題の難易度は結構高く、皆で協力して取り組んでも、結局クリアができなかった課題も複数ありましたが、それは他のチームも同じだったみたいです。

Outdoor leadership seminarで学んだこと

この2日間のセミナーで学んだことは、当時のノートを振り返ってもたくさんあります。

ここでは、ネタバレを防ぐために詳細には触れませんが、課題はどれも面白く、私は最初の課題から強く印象に残っています。

というのも、最初の課題がまさにOutdoor leadership seminarで学ぶべきことの本質に関わっていたからです。

最初の課題に入る前に、それぞれが自己紹介をしてから、チームとして課題に取り組む上で各自が重要と考える事項を議論しました。

その中では、まずは現状を分析して議論するとか、他の人の話を聞くとか、協力するとか、リーダーに従うなどといった、とてもまともな内容が議論されました。

しかし、いざ外に出て課題を与えられ、制限時間を設定されて取り組み始めると、直前の議論を完全に忘れたように、それぞれが各自のやり方でその課題をクリアしよう、自分のアイデアを試そうとバラバラに行動し、結局時間内に課題をクリアすることはできませんでした。

そして、そのようなチームに対するメンターのフィードバックは、「知っていることとできることは違う」という内容でした。

実際、皆、チームとして何が大事かを議論することができ、「知って」いましたが、いざ課題が与えられそれに取り組む段階では、その知っていることを実行することができず、結果として最初から課題をクリアできませんでした。

これは、文字で見ると当然のことのようですが、最初の課題はまさにこの当たり前のことを、チームとしても個人としても、身をもって体感・理解することができた課題でした。

また、私が一番学びになったと感じたのは、私がリーダーに指名され、チームを引っ張ろうとした時のことです。

詳細は割愛しますが、グローバルな環境で、リーダーシップを発揮するとはどういうことか、どうすれば人を動かすことができるのか、そのために今の自分に足りないことは何かなど、リーダーにとって大事なことを、メンターからのフィードバックも得ながら、自分なりに納得のいく形で理解し認識することができました

また、2日間のセミナーの中では、チームでボートを作って湖の反対側に渡ったり、ロープを渡って空中を移動したり、建物の屋上からロープを使って降りる課題などもあり、体を動かしながらリーダーシップについて学ぶことができました(なお、危険な課題は任意で、強制はされませんでした)。

メンターと

まとめ

このように、Outdoor leadership seminarでは、キャンパスの広大な自然の下、ほぼ初対面のチームで、メンターからのフィードバックを受けながら、リーダーシップについて学ぶことができました。

リーダーシップに関する本を読むことで、リーダーシップについて知ることはできるでしょうが、実際にそれをやってみなければ、実行できるかどうかは分かりません。

Outdoor leadership seminarは、「知っていることとできることは違う」という前提で、リーダーシップに関する本当の理解を深めることができる、貴重な経験になりました。

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Posted by のすけ