【MBA】コロナ禍での欧州MBAの授業

2022年10月16日

HEC キャンパス前のPCR検査場

はじめに

私は2021年1月にHEC ParisのMBAに入学し、2022年6月に卒業しました。

2021年1月というと、コロナのパンデミックから約1年が経過しており、日本では第3波を迎え二度目の緊急事態宣言が出された時期です。

フランスでも感染状況は非常に悪く、私が渡仏したときには夜間外出禁止、レストランや美術館・博物館も全て閉鎖、外出時にはマスク必須、という状況でした。

私の留学生活は、そのような状況でスタートとなりました。

今回は、そんなコロナ禍での留学生活が、どのようなものとなったかご紹介したいと思います。

念願の留学生活開始!でも…

2021年1月にキャンパス内の寮に入り、オリエンテーションが始まった際には、授業は基本的にオンラインでした。

当初、クラス単位でのIce Breakとして、大きな講堂に集まりそこで短時間ながら顔を合わせることができましたが、オリエンテーション期間中の、Business Concepts、Math Camp、Data Science Campはどれもオンラインでの開催でした。

また、コロナ禍のため、例年行われる学校主催のカクテルパーティーなども行われず、クラスメイトとコミュニケーションをとる機会もなかなか少ないままでした。

そんな中、学校側もそのままではいけないと思ったのか、3日間かけて行われるNegoSimに関しては、それぞれの学生の希望に合わせて、対面希望の人は対面で、オンライン希望の人はオンラインでの参加が可能とアナウンスされました。

そして、実際に私は初日は対面で出席し、同級生たちと初めてちゃんと顔を合わせることができました。

しかし、それもつかの間、感染拡大の状況から、2日目と3日目は完全オンラインに移行され、寮の自室での受講になってしまいました。

就活対策用のCareer Essentialもすべてオンラインで行われ、構内での感染者数が増えてきたことから、学校の体育館で、全員でPCR検査を受けるといった大規模検査も実施されました。

ちなみに、当時のフランスでは、PCR検査は無症状でも無料で受けることができ、予約制度もありましたがアポなしでも受け入れてもらえたので、私も何度かPCR検査を受けました。

そのうち、キャンパスのエントランス前にもコンテナのPCR検査場ができ、本当に気軽に検査が受けられる体制でした。

Term1がスタートしても、授業はすべてオンラインで、正直、せっかくフランスに来たのになと、物足りなく感じていたのを覚えています。

また、キャンパスの前には大型スーパーのAuchanがあるのですが、そのため寮に住んでいる学生にとっては、基本的に寮とキャンパス前のAuchanの往復だけで日常生活が足りてしまいます(【MBA】フランス留学中の食生活:オーシャンについて)。

そのため、あまり遠出することなく(遠出しても観光地は締まっているのですが)、勉強以外することがないような生活を過ごしていました。

なお、1月のフランスは日照時間がとても短く、9時近くまで外は暗く、また5時頃には日も暮れてしまいます。

授業は早ければ8時に始まりますので、外が暗い中、起床して自室で授業を受けることになりました。

当時は1月の天候も悪くて何度か雪も降り、なんとなく気持ちもどんよりしていたかもしれません…。

1月の窓からの風景

本当のMBAがはじまる!

このように、MBA留学当初は授業がほとんどオンラインで、他の学生との交流もあまりなかったのですが、2021年の2月に入りフランス全土での感染状況が徐々に良くなってきました。

そして、MBA生活がスタートしてから1か月ほど過ぎた2月中旬には、いよいよ対面授業が再開となりました

感染状況や教授の意向等を踏まえ、全てについて完全に対面での授業が再開したわけではありませんが、クラスを半分に分けて25人ずつの出席を認める等の工夫がされ、いよいよクラスメイト達と一緒に授業を受けることができるようになりました。

他のクラスメイトと一緒に対面授業を受けるのは、ある意味これまでの人生で当たり前にしていたことですが、それまでのMBA生活ではできなかった分、いざ教室に行きクラスメイトと一緒に授業を受けると、いよいよ本当のMBAが始まったなと、とてもワクワクした気持ちになりました

Zoomの小さい画面でしか見たことのなかった同級生が、実際に見ると意外と背が高かったり、対面だと英語が聞き取りやすかったりと、そんな小さな気づきも変に面白く感じました。

そして、この頃からTEC Programもスタートし、メンターやTECメンバーとのディスカッションなども始まりました(【MBA】The Executive Committee on Campus (TEC)について)。

季節的にも、冬が終わって春が始まりかける頃で、雪解けの気持ちよさを感じながら、改めてフランスでの留学生活を楽しもうと、決意を新たにすることができたのでした。

その後の授業の形式について

Term1の後にはOutdoor Leadership Seminarがあり、一時は開催も危ぶまれていたのですが、99%やるという学校側の強い決意の下、場所を移動して出の開催ではなく、キャンパス内での開催という形で、無事に行うことができました(【MBA】HEC MBA の Outdoor Leadership Seminarとは)。

Term2では、一部は完全オンラインの授業もありましたが、クラス全体での対面での授業も始まりました。

そして、夏にはワクチンが普及して、レストランや美術館・博物館も再開し始め、日本よりはちょっと早く、脱コロナに向けた社会的な動きが始まったように思います。

夏休み後のTerm3では、授業はほぼ対面で行われ、最後のTerm4も一部の授業はオンラインやハイブリッド型のものがありましたが、基本的には対面で実施され、コロナによる影響は少なかったと思います。

まとめ

このように、私の留学生活はコロナ禍の真っ最中にスタートすることになってしまい、スタート当初は制約も多く、クラスメイトとの交流という意味でも思ったような経験はできませんでした。

しかし、スタートから1か月程経過した2021年2月からは、対面での授業が始まり、クラスメイトとも対面で議論や会話をすることができるようになったので、その当たり前のことのありがたみを感じることができました。

結果論ですが、個人的には、コロナ禍での留学のタイミングについて、あまり後悔はしていません

観光することができなかった分、比較的忙しいTerm1とTerm2で勉強に集中することができましたし、夏以降はレストランなども再開して、少しでしたがフランスのカルチャーなどを経験することもできたからです。

また学校側としても、できる限り学生の学びの質を低下させないよう、関係各所と何度も協議し要望に対応して、対面での授業開催に向けて努力してくれたと感じています。

我々のために日々、尽力してくれた学校関係者のスタッフには、この場を借りてお礼を伝えたいです(見ることはないかもしれませんが)。

MBA,MBA生活

Posted by のすけ