【エッセイ】HEC Paris出願時のエッセイの内容②

2022年7月23日

 今回も、前回(【エッセイ】HEC Paris出願時のエッセイの内容①)に続き、私がHEC Parisの出願時に提出したエッセイの内容について書きたいと思います。

エッセイ5:尊敬する人物

問:次から1つ選んで回答しなさい(最大250語)。A)あなたの国や町を始めて訪問した人に、どのような建造物や場所を紹介しますか。また、それはどうしてですか。B)国際的に成功している特定の本、映画、演劇のうち、あなたそれに値しないと思うものを、例を挙げて分析しなさい。C)あなたが一番尊敬する人物は誰で、それはなぜですか?どの分野でも構いません。

 5つ目のエッセイは、3つのトピックから1つを選んで記載する形式でした。私は、アプローチのしやすさから、尊敬する人物を選び、書くことにしました。

 私が選んだ人物は、道民なら誰でも知っている(はず)の依田勉三です。

 依田勉三は、1980年代から「晩成社」を率いて今の十勝地方を切り開いた、「十勝開拓の父」とも呼ばれる開拓者であり、私が尊敬する人物の一人です。

 エッセイを書くにあたり、書籍(北の大地に生きる―北海道開拓にかけた依田勉三と晩成社の人たち)を読んで彼のことをもう一度学び直しましたが、当時未開の十勝地方で、ほぼゼロから手探りで家畜や作物の栽培など試行錯誤し、数多くの絶望を経験しながらも、開拓を続けたことに対しては、本当に尊敬の念を抱きますし、常人では成し遂げられなかった挑戦だと思っています。実際、ヒグマや鹿などがわんさかおり、冬は氷点下20度を下回る極寒の地で、原生林をかき分けながら開拓してくださいと言われても、私には全くできる気がしません。

 そういうわけで、そんな故郷の偉大な人物を知ってもらいたいという意図も少しあり、他方で経営者、逆境、リーダーという点でMBAのエッセイに適しているとも思ったので、彼を題材に選びました。エッセイの内容は、以下のとおりです(多少改変しています)。

 私が最も尊敬する人物は依田勉三です。彼は150年ほど前に、北海道の十勝地方を開拓した日本の企業家です。

 第一に、私は彼の行動力を尊敬しています。勉三は、名家の生まれで裕福な生活を送っていましたが、1880年に研究者が書いた報告書を読み、当時荒野だった十勝にはアメリカのフロンティアのような多くの資源があり、十勝を開拓することが国益になると考えたのです。そして、彼は、国益のために自分の教師としてのキャリアを捨てることを決意し、すぐに投資を集め、計画を実行に移すための会社を作りました。このように、勉三は自分の大きな夢、理想の実現のために、その地位を捨ててすぐに実行に移したのです。

 加えて、勉三には不屈の精神と柔軟性がありました。不幸なことに、勉三の挑戦は、強い風や厳しい霜といった北海道の過酷な自然環境、山火事、イナゴの大群、有害な野生動物など、多くのトラブルに見舞われ、農作物の不作や家畜の大量死などの不幸な出来事にも何度となく見舞われました。勉三は当初、15年間で100平方キロメートルの耕作を計画していましたが、実際には10年でわずか0.3平方キロメートルしか耕作できませんでした。しかし、彼は当初抱いた志を捨てず、あきらめることなく柔軟にさまざまな試行錯誤を繰り返しました。そして、最終的に十勝の開拓を成し遂げたのです。彼の不屈の精神と柔軟性のおかげで、今では十勝地方は日本で有数の畑作地域となっています。

 さらに、勉三には強力なリーダーシップがありました。彼の開拓は、全く計画通りに進まず、失敗続きで、入植者たちは厳しい気候の中で、極貧生活を強いられ、中には本土に戻るものもいました。しかし、勉三は、去る者を引き留めに感謝の気持ちを伝え、また残るものには自分のビジョンと目標を示し、仲間を励ましながら開拓を続けました。彼は経営者として投資家との協議をするだけでなく、一人の入植者として、自ら汗水を流して働いたのです。その結果、過酷な環境と困難のために晩成社を離れる者もいましたが、結局は、晩成社は勉三をリーダーとして、勉三を信頼し、ともにその大きな志を成し遂げる意志を持つ仲間たちによって開拓を進めることができたのです。

 私も、勉三のような大きな志、行動力、粘り強さと柔軟性を兼ね備えたリーダーになりたいと思います。

エッセイ6:オプショナル:あなたがほかに伝えたい情報があれば、記載して下さい(最大900語)。

 このエッセイは、補足的なものなのですが、オンラインアプリケーションの雇用に関する箇所で、雇用されていないのであればエッセイ6でそのことを書くようにという指示があったので、私はここで自分の立場について記載しました。

 具体的には、パートナー弁護士としての立場、MBAを取得することがパートナー弁護士としての自分にどのような意味があるかなどを記載しました。語数制限上は、最大英語で900語まで書くことができましたが、私は120語程度しか書きませんでした。

 私は、このエッセイで他にアピールになるようなことは記載しませんでしたが、これまでのエッセイで記載しておらず、何か大きな強みがあるのであれば、ここで記載してよいと思います。

エッセイ7:ほかにどのMBAに応募していますか、それはなぜですか(最大100語)。

 このエッセイは、正直に答えればよいのかと思いますが、私は以前の記事(【自己紹介】HEC Paris 合格体験記)で書いたとおり、HEC Paris単願でしたので、HEC Parisにしか出願していないということだけを記載しました。字数制限は100語まででしたが、12語しか使いませんでした。

(③に続く)

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Posted by のすけ