【MBA】HEC MBAのTerm2の授業について(後半)
前回に続いて、今回も、HEC MBAのFundamental Phaseの一部である、Term2の授業をご紹介します。後半戦です。
Operations Management
Operations Managementは、個人的にTerm2で一番面白かった授業です。
オペレーションをいかに効率化していくか、具体的な事例を中心に、ケースやシミュレーションゲームを通じて学びました。
個人的には、どの授業も新しい発見があり、目から鱗の連続で、どうすれば一番効率よくできるのか、ゲームの裏技を聞いているような感覚でした。
個人やグループでのシミュレーションゲームも何度かありました。
チーム戦ではグループのモチベーションが異常に高く、需要を正確に捕捉し生産を最適化するために、非常に細かいエクセルシートを作成した上で、リアルタイムで進行していくゲームをチーム全員でほぼ24時間体制で管理し、内容に応じて当初の方針を適宜修正していくという作戦をとりました。
そして、その甲斐あって、見事にクラスで1位になり、商品のチョコレートをゲットすることができました(冒頭の写真はそのときに記念に撮影したものです)。
また個人戦では、サプライチェーンのBull Whip Effectに煽られて最下位をとってしまったこともありましたが(巻き込んだ皆さん、ごめんなさい。)、マーケット予測を前提に製品のオプションや生産量、生産拠点を決めていくゲームでは、判断が上手くはまって優勝することができ、とても良い思い出になりました。
仕事上、工場見学をさせて頂く機会は留学前にも何度かあったのですが、この授業を通じてオペレーションの効率化を学ぶことで、今後の工場見学の視点が大きく変わったことは間違いないですし、製造業に対する理解を深めることができたと思います。
Organizational Behavior
Organizational Behaviorは、組織行動学の授業で、交渉、Motivation、説得、Power、Personality、ネットワーク、個人や集団での意思決定とバイアスなどを、講義やシミュレーションゲームを通じて学びました。
全てオンラインでの授業になってしまいましたが、シミュレーションゲームはオンラインの方が受けやすかったので、かえって良かったのかもしれません。
交渉以外のトピックについては、留学前にあまり触れたことのない分野でしたが、実践的な内容も多くあって、組織での行動に関してとてもいい勉強になりました。
また、クラスメイトとペアになり、これまで行ったチャレンジに関して第三者のモチベーションを分析し、どこが上手くやれたところで、どこを改善できるのかを議論する課題が出されました。
私のペアはとても経歴がユニークで、彼のチャレンジを聞くこと自体が非常に楽しかったですし、また私の過去のチャレンジについてもとても良いフィードバックをもらうことができました。
他に、授業の中では自身のBig 5の分析や、MBAでの自分の人物相関図のようなものも知ることができて、面白かったです。
Strategic Management
Strategic Managementはコンサル出身の教授の下、経営戦略について学ぶ授業で、具体的なケースをもとに、5 forces、BCG Matrix、SWOT、PESTLE、ゲーム理論、Value Curve、VRIST、Value Chain分析などのフレームワークや理論を学び、事例にあてはめて議論していく内容でした。
講義の予習として、事前にフレームワークを紹介するビデオの視聴とケースの読み込みが必要でしたが、ビデオはどれも長すぎない時間でとても端的にポイントがまとめられていて、勉強がしやすかったです。
ケースも、航空会社、通信会社、出会い系アプリ、LEGO、テスラなど、興味を持ちやすい会社について、それらの企業が抱えている(あるいは抱えていた)課題を知ることができ、またそれらの課題をどう分析し、解決していったのかを考える良い機会となりました。
なかなか正解が出にくい分野のため、オペレーションマネジメントなどとは違って、パリッとした議論にはなりにくかったのですが、クラスメイト達の発言を聞くことで、問題解決のアプローチについて多角的に考えることができました。
授業で扱うケースから、グループで1つを選んで分析する課題が出されましたが、私たちのグループはL‘Orealの国際展開に関するケースを選びました。
グループ内で担当を分担しつつも、とても詳細な議論をすることができましたし、同じ課題に取り組んでいた別のクラスの友人から、この課題についての私の意見が聞きたいと電話がかかってきて意見交換する機会があり、真意は不明ですが頼られているような気がして嬉しかったです。
コンサルと弁護士は、顧客の問題を解決するという点では共通していますが、顧客の問題が何かという点から定義し、ある意味で正解のない問いに対する解決方法を提案するというコンサル的なアプローチは、弁護士としても大いに参考になりましたし、フレームワークも検討の視点として仕事に活かせるように思いました。
Sigma Challenge
Term2のラストのSigma Challengeは、Phandamental Phaseの締めくくりとなる、3日間のチーム対抗ビジネスシミュレーションでした。
このSigma Challengeでは、Term2のチームとは異なるチームが割り当てられます。
またSigmaというタイトルから、シックスシグマと関係があるのかなと勝手に想像していましたが、実際にはシックスシグマとは関係がなく、生産管理、R&D、マーケティングなどの意思決定を行っていくゲームでした。
そういう意味で、オリエンテーション期間のNegoSimと似ているところがあったのですが、他のグループとの交渉がないという点では、NegoSimよりもチーム内で意思決定を完結されることができ、個人的には取り組みやすく感じました。
特徴的だったのは、それぞれチームの優劣を決めるに際して、チームで複数のKPIを決め、その達成率で与えられる総ポイントが争われる点です。
私たちのチームは、まずは知名度を上げ、低単価でとにかく大量に売るという戦略で、最終的に優勝して商品をゲットすることができました。
ちなみに、このときの商品は、HECのロゴが入っているトランプ、ジャム、トートバックなどでした。
Term2のまとめ
Term1もそうでしたが、Term2もメンバーに恵まれて、忙しいながらも助け合って学ぶことができました。
インド人がラマダン期間に入った際には、他のメンバーで彼女の作業をサポートしたり(ラマダン期間は本当に辛そうでした)、私の作業量が多くなった時には、別の課題についてはほかのメンバーが率先して作業を進めてくれるなど、チームでうまく作業を分担して忙しいTerm2を乗り切ることができたと思います。
得意不得意に関しても、コーポレートファイナンスのエクセル作業は私、プレゼン用のスライド作成はコンサル経験者、Sustainabilityのトピックリサーチに関しては業務でその分野を扱ったことのあるメンバーなど、それぞれが経験を活かしてうまく補いながら、チームとして納得のいくアウトプットを作成していくことができました。
懸案だった英語力も、まだまだ十分とは言えないレベルだったかとは思いますが、グループでの議論に参加できる程度にはなって、オリエンテーション期間やTerm1からの成長を実感することができた、思い出深いTermでした。