【MBA】HEC Parisに出願すべき10の理由

2022年10月15日

私は、2022年にフランスにあるビジネススクール、HEC ParisのMBA課程を卒業しましたが、学校選択という点においてHECを選んだことはとてもよかったと思っていますし、これから海外MBAを目指すという方に対しても、HEC Parisを候補として強くおすすめしたいと考えています。

この記事では、HEC ParisのMBAプログラムの特徴、私がHECを押す理由を10個、ご紹介したいと思います。

学校選択や、エッセイ作成のご参考になれば幸いです。

①高度なダイバーシティ

私が考えるHEC ParisのMBAの最大の特徴は、高度なダイバーシティです。

海外MBAを考えた場合、まずはUSの学校が候補となるでしょうが、ダイバーシティという意味ではUSの学校はUSとしてのダイバーシティという印象があり、国籍に関していえばアメリカ人がマジョリティ、その他がマイノリティという状況だと思います。

他方で、これはHECに限った話でもないかもしれませんが、欧州のMBAの場合は本当に世界中から学生がやってきます。

HECでは、フランス人も学生全体の5%程度の印象でしたし、国籍のマジョリティという感じはなく、国籍などの垣根を超えた真のグローバルな環境を味わうことができると思います。

あえて国をあげるとすれば、インド系や中国系の留学生が比較的多かったですが、それは人口比的にも当然のことでしょう。

そして、この高度なダイバーシティは、私の留学の目的の1つとも合致していました。

私の留学の目的は、①ビジネス知識の習得、②価値観の見直し、③語学力の向上、④ネットワーキングでした。

HECの高度なダイバーシティは、特にこのうちの②価値観の見直しという点で、私が留学前に気づいていなかった、あるいはあまり意識していなかった大事なことについて、留学を通じて気がつくきっかけとなったと思っています。

②自由度の高いカリキュラムと協調的なカルチャー

またこれは実際に留学してみて実感したことですが、HECのカリキュラムとカルチャーもHECの特徴の一つだと思います。

カリキュラムに関しては、私がHEC ParisのMBAで受けた全ての授業をブログで紹介していますが、前半のFundamentalフェーズと後半のCustomizedフェーズで分けられている全体の構成は、次第に選択の幅が増え、自由度が増していく点でよかったと思いますし、基礎から応用へといった全体の流れとしても興味のある分野を効果的に学ぶことができる設計だと思います。

またそもそもの授業に対する考え方ですが、HECの授業は各分野とても初歩的なところからスタートして、ある程度のレベルまでは行くのですが、そこからさらにレベルを上げて専門性がとても高いという領域まではやりません。

この点は、賛否あるかもしれませんが、限られた時間でビジネス領域全般を扱う以上は、多少広く浅くにならざるを得ない面もあると思うので、致し方ないと思います。もっと勉強したければ自分で勉強することもできるわけですし、どの分野も全くの初心者から自学できるレベルまでは持って行ってもらえると思います。

このように、授業はある程度のレベルまでしか行かないので、逆に言えば単位も落とすことはほぼありません

MBA期間中を通じて、もっとも難易度が高かったと思ったのはTerm1のFinancial Marketのテストで、これはファイナンスのバックグラウンドの友人も問題が難しいと言ってましたが、このテストも実際は過去問(テストの1週間ほど前にもらえます)を理解しておけばテスト自体は容易にクリアすることができます。

頑張って良い成績をとれるように突き詰めて勉強することもできますし、逆に最低限の対策だけして単位を得るということも可能です。

もちろん、しっかり予習復習をしようとすれば瞬間的に睡眠時間が短くなったりすることもありますが、その点も含め個人の裁量に委ねられているところが多く、全体として授業の選択の幅とそこにかけるエネルギーの量という2点で、自由度の高いカリキュラム設計とえるでしょう。

学校のカルチャーに関しては、よく言われるのが協調的なカルチャーである、ということです。

これは実際に留学してみてよく感じましたが、グループワークの課題の内容や比重の関係もあるのか、特にTerm1とTerm2で同じグループとなったメンバーとは強い仲間意識が芽生えます。

私がメンバーに恵まれていたということもあったのかもしれませんが、それぞれタスクを押し付けあうのではなく、それぞれが得意分野や興味のある分野を進んで取り組んで、プライベートな事情などで対応できないメンバーを支えあうような、協調的なカルチャーがあったと思います。

作業量が誰かに集中したときも、次の課題の作業量を減らすとかゼロにするとか、依存するのではなく助け合うといったチームワークがとても印象的でした。

③クラス規模が比較的小さい

HEC ParisのMBA課程は、9月入学と1月入学がありますが、私が卒業した2022年のバッチに関していえば、それぞれ約150人ずつの規模で、併せて300人といった人数でした。

150人は、Term1とTerm2ではさらに約50人ずつのクラスに別れ、この期間中はクラスごとに授業を受けることになるので、すぐによく知った仲になり、それぞれのバックグラウンドやキャラクターも理解しやすかったです。

Term3は選択するSpecializationによってクラス規模が変わってきますが、私が選択したAdvanced Managementは14人の超小規模クラスで全員と仲良くなることができましたし、人数が多かったSpecializationも2クラスに分けるなどしてそれほど大人数で授業を受けるということにならないよう、工夫がされていたようです。

Term4のElectiveも、授業ごとにクラス規模は異なりますが、概ね10数人から多くて40人程度のクラス規模だったと思います。

個人的には、少人数のクラスの方が他の生徒と仲良くなりやすいですし、授業内容の理解にも資する面があると思いますので、クラス規模の小ささという点もHECをおすすめする一つの理由となりました。

④ランキングが高い

HEC Parisの近年の特徴としては、グローバルでのMBAランキングが高いということがあげられます。

数年前までは世界20位程度でしたが(日本のMBAと比較するとそれでも高いのですが)、近年はランキングを急激に伸ばしていて、QSによる2023年のグローバルMBAランキングでは、INSEADやLBSといった並みいる他の欧州強豪ビジネススクールを抑えてヨーロッパ1位、世界でもStanford、Harvard、Penn(Wharton)に次ぐ4位にランクインしました。

ランキングの考慮要素は色々ありますが、QSの場合はキャリアアップの要素や費用対効果(ROI)が中心に考慮されるので、HECはその点で大きく評価されているのかもしれません。

⑤相対的なコストの低さ

上記のランキングが高いという点において、MBAの費用対効果ということに触れましたが、特にその費用面、留学コストの相対的な安さという点も、HECの特徴のひとつです。

学費だけでも、USのスクールだと2年で2000万円を超えるところもあり、また同じ欧州MBAでも例えばLBSだと約1600万円(97,500ポンド。2022年入学の場合)、INSEADは約1300万円(91,225ユーロ。2022年8月入学の場合)かかります。

これらに対して、HECの学費は2022年9月入学の場合には約1100万円(78,000ユーロ)で、MBA取得に要する学費が相対的に安いことが分かります。

またこの記事(【MBA】HEC Parisの寮生活のすすめ)でご紹介したように、HECの場合はキャンパス内の寮に低コストで住むことができますので、生活費も含めたコスト全体としても、他のビジネススクールよりも大幅に抑えることができます

この相対的なコストの低さは、特に私費生にとってはかなり大きなメリットになるはずで、浮いたお金を旅行などに自由に使うこともできますし、また海外MBA留学そのもののハードルを下げることにもつながると思います。

なお、HECの授業料に関しては、まだ他のビジネススクールと比較して相対的に安いレンジにあるという点は変わらないまでも、2023年1月入学は80,000ユーロ、2023年9月入学は87,000ユーロと、近年は値上げ傾向にありますので、可能であれば早めに留学された方が、コストの低さというメリットをより多く享受できると思います。

⑥出願しやすい

出願に関するHECの特徴は、①入学審査がほぼ毎月行われることと、②事前にアプリケーションのフィードバックがもらえることです。

私はHEC以外に出願していないのですが、海外MBAの場合、出願がラウンド制になっていて、10月から11月がラウンド1、12月から1月がラウンド2、その後がラウンド3となっているところが多いと思います。

後に行くにつれて枠が埋まり倍率も上がっていくようですが、反面、スコアメイクができていないと出願してもスコアで足切りというリスクがあるので、どのタイミングで出願するかということがかなり大事になってきます。

他方で、HECの場合には入学審査がほぼ毎月ありますので、ラウンドに縛られず、スコアメイクができ次第すぐに出願、ということが可能です。

枠の関係で早めに出願するに越したことはないと思うのですが、一応はどの月に出願したとしてもフェアに審査すると言われた記憶もあります。

また他のビジネススクールだと重要になってくるどこまでスコアメイクするかという問題も、HECの場合にはオンラインアプリケーションから事前にスコアを伝えることができ、そのスコアに対するフィードバックがもらえます

もう少しGMATの点数を上げてほしいとか、今のスコアでOKなどと教えてもらえるので、どこまでスコアメイクするかという点も比較的明確になっています。

なお、スコアの要求水準に関しても、TOEFLは100、IELTSは7.0で、GMATは全体のアベレージこそ690とされていますが日本人の場合にはもっと低くても大丈夫なので、英語もGMAT(GRE)もそれほど高い要求ではなく、スコアメイク自体もしやすいと思います。

出願に際して出すエッセイに関しては、この記事(【エッセイ】HEC Paris出願時のエッセイの内容①)に書いたとおりボリュームが少ないわけではありませんが、Why MBAなどの比較的オーソドックスな質問も含まれていますので、特に重たすぎるというほどでもないと思います。

インタビューも、卒業生2名によるもので質問自体もオーソドックスな傾向にありますので、MBAの出願準備として特に大変というわけではありません。

このように、HECのMBAは出願タイミング、スコアメイク等の点で出願がしやすく、これもHECの特徴の一つといえます。

⑦16か月という期間と柔軟性

HECのMBAプログラムの特徴は、その期間の点でもあります。

HEC ParisのHPにもあるように、16か月のプログラムというのが基本で、2021年1月入学の私は、2022年4月の初めまで授業を受けていました。

この期間に関しては、例えば1年制のビジネススクールで、夏休みを含めて実質10か月になると、かなりタイトなスケジュールになるような気がします。

授業の他、就活やネットワーキングも並行していくとなると、1年制のプログラムよりももう少し長いプログラムの方が、比較的余裕をもって行動できるという方も多いのではないでしょうか。

逆に、2年だとちょっと長いという気もしますので、この16か月1年4か月という期間の設定は、絶妙な長さだと思っています。

また通常は16か月のプログラムなのですが、単位の取り方はかなり融通を効かせることができます

特に、Electiveの授業の選択はかなり柔軟に行うことができ、2021年1月入学の場合、2022年1月から4月上旬の期間に開講されるElectiveの授業から8コマとるのが通常ですが、その期間にインターンに集中したいなどの事情があれば、4月から6月にかけて開講される2021年9月入学の学生用のElectiveの科目を受講することもできます。

Elective自体、9月入学と1月入学の学生に合わせて、1月から4月、4月から6月の期間に開講されるので、その期間で必要な単位を取ることができればよく、その点で単位を取る期間という点でも融通を効かせることができるのです。

もちろん、Electiveを取る期間を長くした場合には、その人のプログラムは16か月ではおさまらず、19か月となって卒業時期も若干ずれることになります。

逆に、選択するElectiveを開講期間中の前半に固めることで、16か月を14か月程度まで短くすることも可能かもしれません。

入学から1年で帰国して最後はリモートを中心としたMBAプログラムで履修するという方もいましたので、場所という意味でも後半は融通を効かせることができます。

⑧フランスという立地と環境

またHECのフランスという立地と環境も、HECの特徴といえるのではないでしょうか。

立地に関しては、フランスという欧州の文化と歴史の中心地にあり、美術館、博物館やオペラなどの芸術、美食に触れることができますし、少し足を運べば歴史的建造物などもたくさんあります。

美術館に関しては、訪れるべき美術館のリストをメンターのBernardからもらって回っていたのですが、パリだけでもかなりの美術館があり、どれも充実した展示物が多くありますので、全てを回りきることは到底できず、今後の宿題となってしまいました。

旅行に関しても、パリや国内の地方都市はもちろん、UKや他のEU諸国だけでなく、アフリカにも日本からと比較して容易に行くことができます。

日本と違って島国ではないので、飛行機に乗らずとも電車に数時間乗れば別の国に行けます。地図をみれば当然のことなのですが、欧州のダイバーシティはこのような点からも基礎づけられているのだと思いました。

環境に関しては、キャンパスには自然があふれていますので、勉強の合間に散歩やジョギングをするのが好きな方にはとても良い環境だと思いますし、ジムや図書館といった設備もそろっているので、学習環境としても良いと思います。

またパリから少し離れているものの、気が向いたらパリに遊びに行くことも可能な距離感です。

学校を少し出れば、この記事(【MBA】フランス留学中の食生活:オーシャンについて)で書いたスーパーもありますので生活上の不便はあまりありませんし、学校のとなりには自分たちで野菜を収穫できる農場もありますので、都会とはまた違った生活を過ごすことができます。

⑨就職の強み

私自身、キャリアチェンジのためにMBAに行ったわけではなく、就職活動をしていたわけではないのですが、周りの話を聞いていると就職活動のしやすさという点も、HECの特徴の一つだと思いました。

日本人が日本で就職することを考えると、HECの知名度というのはあまり強力な武器にはならないのかもしれませんが、同級生たちはコンサルやGAFAに就職したり、フランスの有名企業に就職している方が多かったです。

また卒業後のVISAに関してもメリットがあり、EUブルーカードを取得すれば就労制限なくEU圏内で働くことができるので、就職にあたっての選択肢を大きく広げることができます。

⑩リーダーシッププログラム

最後は、HECが力を入れているリーダーシッププログラムです。

この記事(【MBA】HEC MBA の Outdoor Leadership Seminarとは)で書いたOutdoor Leadership Seminarも面白く、得るものは想像以上に多かったのですが、何よりこの記事(【MBA】The Executive Committee on Campus (TEC)について)で書いたTECプログラムに参加できたことが、自分にとってHECのMBAでの最大の収穫でした

メンターであるBernardや仲間たちとのディスカッションを通じて、自分の価値観を見直すことができましたし、そこから今後の考え方の指針も具体的にすることができました。

大人になってこのような経験ができる機会は多くなく、またダイバーシティ溢れるHECだからこそ得られるものもたくさんあったと思います。

まとめ

以上が、私がHECにしてよかったと思う理由、おすすめする理由でした。

HECのMBAプログラムは、16か月あるとはいえ、自由度が高くあっという間に過ぎていきます。

そのため、HECに限った話ではないかもしれませんが、MBAで何をしたいのか、何のためにMBAに行くのかという自分なりの価値基準をもって、物事の優先度を決めていくことが重要ですし、自由度の高さゆえその気になれば特定のことに対して徹底的に打ち込むことも可能だと思います。

HECのMBAは、そういう意味で、自分のやりたいことを実現できるプログラムでもあると思います。

学校選択、エッセイ作成の一助になりましたら幸いです。

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Posted by のすけ